1歳半になった次女のMが日本へ一時帰国したことで、大きな変化が1つ。みそ汁を毎日作らなくても済むようになったことです。Mの大好物は豆腐とホウレンソウのみそ汁なのです。
Mが1番最初に離乳食として好んで食べるようになったのがみそ汁。以来、半年以上にわたって毎日のように飽きもせずにみそ汁を食べています。朝、昼、晩と1日3回食べることも。ちなみに主食はおにぎりで、これも一貫しています。好物に関する限り、Mは完全に「日本人」です。
そんなわけで、ランチとして保育園に持っていくのも、決まって豆腐とホウレンソウのみそ汁とおにぎりです。これだけはほぼ必ず残さずに食べてくれます。豆腐、ホウレンソウ、ご飯の組み合わせは健康的なメニューなので、大助かりです。
1歳児にバランスの良い食事をきちんと取らせるのは親にとって難題です。健康的なみそ汁を毎日のように平らげるMを見て、保育士は「これは幼児用の魔法のレシピでは」とでも思ったようです。数カ月ほど前から、送迎に来るわたしと妻に入れ替わり立ち替わり「これはどうやって作るの?」と聞いてくるようになりました。
ミズ・デボラは「このスープのもとは何? Mちゃんは毎日喜んで食べているけれども、とてもいい香りがしますね。どうやったら手に入るの?」と興味津津。ミズ・サバは「家で子供のためにチキンスープのもとで豆腐とホウレンソウのスープを作ったのだけれども、どうしても同じ味にならないの。どうしてかしら?」。
そこで、妻と相談して日本食スーパーへ行き、みそ汁を作るための材料を購入しました。興味のある保育士にプレゼントするためです。購入したのは、英語で作り方の説明書きがある「かつおのだし」と「みそ」です。先日、保育園に持っていたら大喜びしてもらえました。補足しておくと、アメリカの地元スーパーには豆腐は置いてありますが、みそとかつおのだしはどうもないようです。
クレアモントは小さな田舎町。にもかかわらず、ここにはいくつも日本食レストランがあり、多くのアメリカ人がみそ汁を食べています。さすが、日本食文化が最も浸透しているカリフォルニアです。もっとも、みそとかつおのだしを入手しくにい点を考慮すると、自分でみそ汁を作るアメリカ人はあまりないのでしょう。
ここ1、2週間はわが子3人の相手を務めるのに精いっぱいでした。妻が日本出張を控えて忙しかったからです。
妻はきょうから1週間、日本へ出張です。ドラッカースクールの学生ですが、今回は学長らと同行し、通訳などを担当します。出張に備えて、アポ入れなどいろいろな雑用を処理していました。同時に、期末試験の勉強をしつつ、「クライシスマネジメント」担当教授の助手として大量の読書をこなしたり、学生の採点に協力したり。ピーター・ドラッカー生誕100年祭にも相当な時間を割いていたため、そのしわ寄せも受けていました。
こんな状況下で、妻は週末も返上してフル回転していたのです。
きょうからそんな状況が様変わりします。月齢18カ月の次女Mが妻と一緒に日本へ行くからです。妻が忙しくしている時、最も大変だったのがMの相手。そのMが1週間、わが家で不在になるのです。東京では妻が働いている間、おばあちゃん(妻の母)とおばちゃん(妻の妹)がMの世話をしてくれます。
不安もあります。Mは昨年5月に東京で生まれ、すぐにカリフォルニアへやってきました。これまで寒さを経験したことは1度もありません。セーターを着たことさえないのです。東京の寒さにびっくりするかもしれません。人口密度の高い東京では、インフルエンザに感染する確率も高まりそうです。
寝る時間も削って勉強と仕事に没頭する妻。出張を前にしてわたしに「Mがいなくなると格段に楽になると思うよ。1週間のサバティカルだね」と言っていました。その通りかもしれません。7歳の長女と5歳の長男はいつの間にか大きくなり、それほど手がかからなくなっているのです。「ママがいない~」と言って泣き続けたのは、すでに遠い昔のように思えます。
幼児の相手役はエネルギーを消耗するとはいえ、ちゃんと報われます。Mは毎日スキンシップも含めて十二分にわたしと接しているだけに、間違いなくパパっこです。いつもそばを離れません。保育園に迎えに行くと、わたしに向かって駆け寄りながら最高の笑顔を見せます。