きょう、午前中にクレアモントクラブでひと汗流した後、ガソリンスタンドに立ち寄りました。アメリカではセルフサービスが普通なので、給油中、車の横に立ったまま青空を眺めていました。そしたら、突然「ハウ・アー・ユー・ドゥーイング?(調子はどう?)」と声をかけられました。
声の主は、すぐ横で給油中の男性でした。ジーンズにポロシャツ、年のころ30代なかば。運転している車はスポーティーなクーペ。もちろん初対面です。数分もたてば給油は終わり、2度と会わないでしょう。
「元気でやってますよ。そちらは?」
「最高です。きょうは天気がいいね」
会話はこれでおしまい。でも、これだけで少し気分が良くなりました。さすがカリフォルニア! 日本ではガソリンスタンドの店員にあいさつされることはよくあったけれども、給油中の見知らぬ人にあいさつされたことは1度もありません(ニューヨークに住んでいた時は車を運転していませんでした)。
カリフォルニアは車社会です。日本にいた時と比べケタ違いに車の中にいる時間が多くなりました。車の中で音楽を聞く時間も同様に増えました(実は車の中でしか音楽を聞いていません)。
最近は、レゲエのボブ・マーリーのベスト盤を繰り返し聞いています。1カ月ほど前にボブ・マーリーのCDを手に入れて以来、長女がボブ・マーリーにはまってしまったのです。
長女は最初、小学校で習った「3羽の小鳥(Three Little Birds)」をリピートに設定して、そればかり聞いていました。今では歌詞を完璧に覚えています。「3羽の小鳥」を覚えてしまうと、次は「バッファローソルジャー(Buffalo Soldier)」。カーピンテリアに旅行中、この曲をリピートにして親友のキアナと一緒に何十回も歌っていました。この曲も今ではそらで歌えます。ボブ・マーリーの曲には同じフレーズを何度も繰り返す作品が多く、子供でも覚えやすいです。
アメリカに住み始めた当初は、長女は日本のテレビアニメ「プリキュア」のCD、続いてアメリカのテレビアニメ「ドーラ」のCDばかり聞いていました。それがいきなりレゲエに! 長女に影響されて長男も「3羽の小鳥」などを口ずさむようになりました。親としては車の中でようやく大人の曲が聞けるようになり、うれしいです。余談ですが、レゲエにはリラックスしたメロディーが多く、南カリフォルニアの雰囲気にぴったりです。
ケニーとサラの結婚式に家族で出席しました。こんにカジュアルで楽しめる結婚式は初めてでした。いつもはだしで生活し、底抜けに明るいビーチ育ち の2人の人柄がよく出ていました。
会場は、南カリフォルニアのビーチタウン、カーピンテリア郊外のケニーの友人宅。豪華な邸宅ではないですが、敷地は広大。数十台もの車が余裕で駐車できるほどでした。その友人宅の庭で式が行われました。カリフォルニアならではの青空結婚式です。当日は快晴に恵まれ、遠くには海が見えました。写真は、式が始まる直前です。
会場に足を踏み入れると、サングラスにタキシード姿のケニーがいました。ケニーが革靴を履いている姿を見るのは初めてでした。それよりも驚きだったのは、ケニーにあいさつしている人たちの姿。アロハシャツ、ジーンズ、ポロシャツ、バミューダパンツ――。礼服の人はごく一部の親族に限られていました。カジュアルなジャケット、ネクタイ、チノパン姿のわたしでも、どちらかと言えばきちっとしている部類に入りました。
アメリカには全体としてドレスダウンの文化があります。特にカリフォルニアでその傾向が強いように思います。有名なゲッティ美術館で印象派の絵画を鑑賞する際も、TシャツとショートパンツでOKなのです(わたしの両親は「なんて楽なんだろう」と言っていました)。それを考慮しても、ケニーとサラの結婚式のカジュアル度合いは目立っているのではないかと思います。
驚きはまだ続きました。何と、着席する人たちの手にコロナビールや白ワインが……。会場の入り口で受け取ったアルコール類です。「アルコールを飲むにしても式が始まるまでの間かな」と思っていたら、そのまま式が始まりました。見事なドレス姿のサラが父親と共に入場すると、出席者はアルコールを片手に持ったまま起立しました。
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週末はいつも全面的に子供の相手です。ですが、先週末は妻に頼んで1人で近所のコーヒー店に脱出しました。翻訳の仕事が遅れ気味で、週末を利用しないと遅れを取り戻せなくなってきたのです。コーヒー店にパソコンを持っていけば、インターネットにつながるし、原稿も書けます。
後から聞いたのですが、わたしが家を出た後、妻は長女と長男を連れて買い物に出かけました。長女が「キアナのパパとママの結婚式に出るから、ドレスを買いたい」と言っていたからです。次女は昼寝していたので、おじいちゃんとおばあちゃんに任せることにしたそうです。
数時間後、家に戻ると、おばあちゃんが「ああ、良かった!」とホッと胸をなでおろしていました。生後14カ月の次女は、ママとパパを探し求めてずいぶんと走り回っていたそうです。おばあちゃんは次のように解説してくれました。
「目覚めると、親がいなくてびっくりしたみたい。大きな声を出して泣きながら、すごいスピードで家の中を探し回っていたの。あっちの部屋からこっちの部屋へ、こっちの部屋からあっちの部屋へ。あまりにもけなげだったから、こっちが泣きたくなっちゃった」
わたしの場合、3人の子供の中で幼児期に一緒に過ごす時間が一番長いのは圧倒的に次女です。だからでしょうか、次女はわたしにとてもなついています。どこに行っても付いてきて「あ~、あ~(抱っこして)」。抱っこしてあげないとすぐに怒り出します。言葉は今も「マンマ」だけですが、感情表現はますます豊かになっています。
ここ数日、南カリフォルニアは非常に暑く、きょうは摂氏34度。長女が通う「サマー・デイ・キャンプ」には次のような張り紙がしてあります。
「注意事項! 子供たちは夏を存分に楽しんいます。屋外で遊ぶのが大好きです。でも、誰もが知っているように紫外線は有害です。毎日、必ず日焼け止めを塗ってください。SPF30+のサンスクリーンがお勧めです」
訪米前、ロサンゼルスに住んだことがあるPR会社の社長に言われたことを思い出しました。「カリフォルニアに住むと、3点セットが欠かせません。日焼け止め、サングラス、ローションです」
まずは日焼け止め。南カリフォルニアは毎日のように快晴で、雲ひとつない空が広がっています。しかも、クレアモントのような地方都市では高層ビルは皆無です。屋外で遊んでいると、常に紫外線を浴びる格好になります。帽子も必需品です。
次にサングラス。車社会だけに、仕事を終えて帰宅する夕方に車を運転する人が多いです。高層ビルが少ないこともあり、強烈な西日を浴びます。サングラスがないと危険です。太平洋の水平線に沈む西日は美しく、感動します。そのためにもサングラスは不可欠です。
最後にローション。湿気が少ないということは、乾燥するということです。肌がかさかさになるため、ローショーンが必要です。さもないとかゆくなります。同時に、脱水症状になるのを避けるために水分の補給も忘れてはいけません。
だからといって南カリフォルニアの夏が過ごしにくいわけではありません。むしろ逆です。特に日本から来た人は異口同音に「なんて過ごしやすいのでしょう」と言います。クレアモントに滞在中のわたしの両親も例外ではありません。写真は、青空の下、中庭のプールへ向かう長女と親友のキアナです。
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I Like To Move It Move It
I Like To Move It Move It
I Like To Move It Move It
Ya Like To (MOVE IT!)
これは、映画『マダガスカル』でも有名になったラップ音楽「アイ・ライク・トゥ・ムーヴ・イット(I Like to Move It)」の歌詞です。秋から小学2年生になる長女が時々口ずさんでいるのです。「どこで覚えたの?」と聞いたら、「アフタースクール(学童保育)でかかっているから」という答えでした。
日本にいる時、長女は「プリキュア」を筆頭にテレビ番組の主題歌を好んで歌っていました。ところが、アメリカに来てからテレビ番組の主題歌を歌うことほとんどなくなりました(アメリカでは歌いたくなるような主題歌が少ないのが原因かもしれません)。代わりに、学校やアフタースクールで覚えた曲を歌うのですが、そこにはラップやレゲエが交じっているのです。アメリカらしいです。
先日はレゲエの大御所ボブ・マーリーの「3羽の小鳥(Three Little Birds)」を歌っていました。再び「なんでこんな歌を知っているの?」と聞いてみました。そしたら「学校で音楽の時間があってね、そこで音楽の先生が教えてくれたの」と説明してくれました。ついでに「今度この歌のCDを買ってね。iPodで聞きたいから」とも。
わが家にはボブ・マーリーのレコードはありません。何度も引っ越しているうちに無くしてしまったようです。ちょうどいい機会なので、新たに購入しようかと思います。
この調子で大人の洋楽に興味を示してくれると、親としてもとてもありがたい。耳にたこができるほどプリキュア(長女の場合)やウルトラマン(長男の場合)の主題歌などを聞かされてきたからです。
ちなみに、妻が図書館でビーチボーイズのCDを借りて長女に聞かせたら、喜んでいました。南カリフォルニアで車を運転しながらビーチボーイズを聞くのは最高ですね! 気分が明るくなります。子供とも趣向が一致すれば、一石二鳥です。