東洋経済新報社から『ウォーレン・バフェット 華麗なる流儀』が発売になります。わたしの訳書としては3冊目です。すでに日本の大手書店に置かれ始めているようです。
著者は、デリバティブ(金融派生商品)の専門家であるジャネット・タバコリ氏。「デリバティブのカサンドラ(凶事予言者)」との異名を持つ彼女は、バフェットにランチに招待され、本書を書く気になりました。「100年に1度」と言われる金融危機についてバフェット的な価値観で解説した唯一の本です。
本書の翻訳に際して、事実確認などでタバコリ氏とは何度も電子メールでやりとりしました。非常に反応が早く、しかも正確であり、とても仕事がやりやすかったです。
本書にはタバコリ氏の自伝的要素も入っています。「男性ばかりのウォール街の最前線で生き抜いてきた女性」という点でも異例ですが、それは序の口です。同氏は若い時、イラン人と結構してイランへ移住しています。その直後にイラン革命が勃発し、実質的に無一文になってアメリカへ戻り、まずはエンジニアになっています。魅力的な人物です。だからバフェットにも気に入られたのでしょう。